醤油(読み)ショウユ

デジタル大辞泉 「醤油」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ゆ〔シヤウ‐〕【×醤油】

日本独特の調味料。小麦・大豆を原料とするこうじ食塩水を加え、発酵させて絞った液体。濃い口醤油薄口醤油たまり醤油再仕込み醤油甘露醤油)・白醤油などがある。むらさき。したじ。
[補説]「正油」と当てて書くこともある。
[類語]下地生醤油溜まり醤油濃い口醤油薄口醤油

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精選版 日本国語大辞典 「醤油」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ゆ シャウ‥【醤油】

〘名〙 小麦と大豆を原料として作った醤油麹(こうじ)に食塩水を加えて発酵させて搾った、塩からく特有の風味のある黒茶色の液体。わが国特産の調味料の一つ。したじ。むらさき。しょうゆう。〔文明本節用集(室町中)〕
浮世草子世間胸算用(1692)一「焼木(たきぎ)・醤(ショウ)油・塩・あぶら迄も借す人なければ」
随筆守貞漫稿(1837‐53)二八「醤油 近国にても製し出す下総の野田町常陸土浦等より出る物上製也」

しょう‐ゆう シャウイウ【醤油】

〘名〙 (「ゆう」は「油」の漢音) =しょうゆ(醤油)〔俳諧・毛吹草(1638)〕
※随筆・孔雀楼筆記(1768)二「莱蔔(だいこん)を薄平たくきざみて、たつくりを入れ、豆油(シャウユウ)にて煮る」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「醤油」の意味・わかりやすい解説

醤油
しょうゆ

日本で最も重要な調味料の一つで,日本独特のもの。大豆と小麦を原料としてつくった醤油麹に,濃厚な食塩水を加えて仕込み,約1年間熟成発酵させたものをしぼってつくる。この間に酵母,麹菌乳酸菌などが作用し,醤油独特の香気うまみが醸成される。濃口,淡 (薄) 口,溜の3種に大別される。濃口醤油は最も普通の醤油で関東では銚子,野田が主産地である。淡口醤油は関西の小豆島,竜野地方が主産地で,色のきれいな淡さが好まれている。溜は愛知県,岐阜県で嗜好される。特殊なものとしては白醤油,甘露醤油などがある。また,原料の蛋白質を酸によって加水分解してつくる化学醤油,あるいは醸造法と化学的方法を折衷した半合成醤油も生産されている。成分は,食塩 18~20%,総窒素 1.0~2.0%,糖分 2.0~3.0%,アルコール分約1%,総酸 0.9%で総窒素のほとんどがアミノ酸ペプチドである。これらのアミノ酸,特にグルタミン酸とペプチドが醤油のうまみの主成分で,これに糖として含まれているぶどう糖,麦芽糖,ガラクトース,ペントース類がうまく調和して醤油の甘味をつくっている。また,酸として含まれている乳酸,酪酸,コハク酸,ギ酸,プロピオン酸,その他,アルデヒド,ケトン,アミン,フェノール,アルコールなどが巧みに調和されて風味を形成している。腎臓病患者用に食塩の代りとしてカリウム,アンモニウムの塩化物を用いた無塩醤油も製造されている。

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日本文化いろは事典 「醤油」の解説

醤油

醤油とは、大豆と小麦で作った麹〔こうじ〕(※)と塩水を発酵・熟成させて作る、黒茶色の調味料の事です。和食の調理には欠かせない調味料で、醤油を使う事によって、味に深みや旨みをだす事ができます。「こいくち」「うすくち」など五種類の醤油があります。※麹…米・麦・豆などを蒸したものに麹菌を繁殖させたもので、酒・醤油・味噌などを製造するのに用います。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

栄養・生化学辞典 「醤油」の解説

醤油

 わが国独特の調味料.ダイズ,コメ,ムギなどを原料として塩とともに発酵させ,ろ過したもの.

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