手棒(読み)テボウ

精選版 日本国語大辞典 「手棒」の意味・読み・例文・類語

てん‐ぼう【手棒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「てぼう(手棒)」の変化した語。棒のような手の意から )
  2. 腕が役にたたないようになっていること、また、その人をいった語。
    1. [初出の実例]「てんぼうに成てから後鍔(つば)の妙」(出典:雑俳・雲鼓評万句合‐寛延三(1750))
  3. 指または手首、あるいは腕の一部ないしは全部がないこと、また、その人をいった語。
    1. [初出の実例]「其外ちんばてんほうせむし」(出典:仮名草子・ぬれぼとけ(1671)中)

て‐ぼう【手棒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手に持っている棒。杖。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「てぼうをふりあげかかり給へば」(出典:虎明本狂言・若市(室町末‐近世初))
  3. 腕の不自由なこと。手のないこと。また、その人。てぼ。
    1. [初出の実例]「えんなれば手ばうながらもいとしくて むこ殿に引くかね光の太刀〈宗朋〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)一)

てん‐ぼ【手棒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 魚を網の中へ追いこんだり、網の中の魚が逃げだすのを防いだりするために、海中に投げ入れておどす棒や石。
  3. てんぼう(手棒)
    1. [初出の実例]「ゑーと芸妓(げいしゃ)をひねりやせう〈略〉手棒(テンボ)芸妓か何か」(出典:落語・ひねり家(1900)〈初代三遊亭円左〉)

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