打乱の箱(読み)うちみだりのはこ

精選版 日本国語大辞典 「打乱の箱」の意味・読み・例文・類語

うちみだり【打乱】 の 箱(はこ)

  1. 宮殿調度の箱の一種広蓋(ひろぶた)のような木製の箱。古くはふたがあって、櫛笥(くしげ)に添え、手拭入れとして用いた。のちには髪上げの具、髢(かもじ)などを入れるのに用いた。うちみだり。うちみだれ。うちみだればこ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. <a href=打乱の箱〈源氏物語絵巻〉" />
      打乱の箱源氏物語絵巻
  2. 衣服、所持品などを仮に入れておく、漆塗り、編み竹などの、ふたのない箱。乱れ箱。

うちみだれ【打乱】 の 箱(はこ)

  1. うちみだり(打乱)の箱
    1. [初出の実例]「御櫛の箱、うちみたれのはこ、香壺の箱ども」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
  2. うちみだり(打乱)の箱
    1. [初出の実例]「婦は打乱(ウチミダレ)の箱を櫛巾(くしふき)に包み持ち出て」(出典風俗画報‐三九号(1892)人事門)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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