打寄(読み)うちよせ

精選版 日本国語大辞典 「打寄」の意味・読み・例文・類語

うち‐よせ【打寄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 寄り合って話すこと。寄り合い。
    1. [初出の実例]「大鉢を中に三人が五徳の形(なり)に居並んで、彼打寄(ヨセ)の真最中所を我が立聞して」(出典洒落本・深川手習草紙(1785)序)
  3. 歌舞伎で、海岸川岸などの波打ち際舞台装置
    1. [初出の実例]「蒔石に氷の流れたたえたり〈友雪〉 勝に極まる浜の打よせ〈梅朝〉」(出典:俳諧・通し馬(1680))
    2. 「本舞台、常足の二重、蹴込み打寄せの砂地」(出典:歌舞伎・蝶々孖梅菊(1828)大詰)

うち‐えする【打寄】

  1. ( 「うちよする」の上代東国方言 ) 「駿河(するが)」にかかる。
    1. [初出の実例]「吾妹子(わぎめこ)と二人わが見し宇知江須流(ウチエスル)駿河の嶺(ね)らは恋(くふ)しくめあるか」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三四五)

うち‐よする【打寄】

  1. 波の打ち寄せる駿河国の意で、「駿河」にかかる。うちえする。
    1. [初出の実例]「なまよみの 甲斐の国 打縁流(うちよすル) 駿河の国と」(出典:万葉集(8C後)三・三一九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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