打散らす(読み)ウチチラス

デジタル大辞泉 「打散らす」の意味・読み・例文・類語

うち‐ちら・す【打(ち)散らす】

[動サ五(四)]
棒などでたたいて追い散らす。
金火箸ほどのステッキ右往左往に―・し」〈蘆花思出の記
(「討ち散らす」とも書く)攻めて追い払う。「浮き足だった敵の軍勢を―・す」
ばくちなどをむやみに打つ。
双六すごろくばくちを―・し」〈仮・竹斎・上〉
散らす」を強めていう語。
「―・し給へる物どもとりしたたむ」〈落窪・一〉
[可能]うちちらせる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打散らす」の意味・読み・例文・類語

うち‐ちら・す【打散】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. ( 「うち」は接頭語 ) むやみに散らかす。あちこちに乱雑に置く。
    1. [初出の実例]「思ひしづめて、うちちらし給へる物どもとりしたたむ」(出典:落窪物語(10C後)一)
  3. 棒などで敵を打って、追い散らす。
    1. [初出の実例]「誰かれなく打ちらすほどに」(出典:読本・春雨物語(1808)樊噲)
  4. ( 「討散」とも ) 敵を討って追い散らす。攻撃して退かす。
    1. [初出の実例]「おち人とてあそこここにてうちちらされ」(出典:平家物語(13C前)七)
  5. (ばくちなどを)むやみに打つ。
    1. [初出の実例]「双六ばくちを打ちらし、ここを先途と勝負をする」(出典:仮名草子・竹斎(1621‐23)上)

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