打違(読み)うってちがい

精選版 日本国語大辞典 「打違」の意味・読み・例文・類語

うって‐ちがい‥ちがひ【打違】

  1. 〘 名詞 〙
  2. たがいちがいにすること。交互。
    1. [初出の実例]「ト是れにて手先の一、箒尻を二本出し、よき所へ打(ウ)って違(チガ)ひに置き」(出典歌舞伎盲長屋梅加賀鳶(1886)七幕)
  3. 三味線演奏法の一つ。打合(うちあわせ)の演奏のとき、強拍部と弱拍部とを交替して合奏すること。

うち‐ちがい‥ちがひ【打違】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 十字形に交差すること。また、その形。ぶっちがい。すじかい。うちかい。
    1. [初出の実例]「右拍子木の打違ひは、川除の具を略し用たるなるべし」(出典:随筆・耳嚢(1784‐1814)六)
  3. まちがって打つこと。また、そのもの。「電報のうちちがい」

ぶっ‐ちがえ‥ちがへ【打違】

  1. 〘 名詞 〙ぶっちがい(打違)
    1. [初出の実例]「交叉(ブッチガヘ)になりたる箸の〈略〉見悪さ」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴三五)

ぶっ‐ちがい‥ちがひ【打違】

  1. 〘 名詞 〙 十字形に交差すること。互いに交差すること。すじかい。ぶっちがえ。うちちがい。
    1. [初出の実例]「後ろ合せに、〈略〉首がぶっちげへになるだらう」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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