扶箕(読み)ふき(その他表記)fu-ji

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「扶箕」の意味・わかりやすい解説

扶箕
ふき
fu-ji

一般には,「フーチー」と読み,扶けい (ふけい) ,扶鸞 (ふらん) ともいう。中国の占い一種天井からつるした筆あるいは占い師が手にした筆が,神がかりによって自然に動きだし,砂の上に文字を書くので,それを読んで物事吉凶や将来を占う法である。中国の道教教団によくみられる行為で,陶弘景編の『真誥』の原本はそれによって書かれたともいわれ,近代秘密結社一貫道もそれを用いた。日本の「コックリさん」に似ている。

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普及版 字通 「扶箕」の読み・字形・画数・意味

【扶箕】ふき

箕の動きで神意が示されるお筆先の一種。

字通「扶」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の扶箕の言及

【扶乩】より

…正月の15日に,厠神(かわやがみ)である紫姑神の神像を杓子,笊(ざる),箕で作り,神降しを行って神意を問う紫姑占いも扶乩の一つである。扶乩はまた,扶箕(ふき),扶鸞(ふらん)とも呼ばれ,古くから道教経典の製作に当たって行われ,現在でも台湾,香港の寺廟で行われる。【砂山 稔】。…

【占い】より

…ポエはすでに六朝梁の《荆楚歳時記》に〈教〉としてみえており,唐代には〈杯珓(はいこう)〉と呼ばれて流行していたらしい。また,扶箕(フーチー)という日本のこっくりさんに似た占いも,いまなお廟で行われている。人相・骨相もすでに戦国時代の《荀子》非相篇に〈いにしえには姑布(こふ)子卿あり,今の世には梁に唐挙あり,人の形状顔色を相(うらな)いてその吉凶妖祥(ようしよう)を知る〉とみえるから,その起源は古い。…

※「扶箕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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