抜き出づ(読み)ヌキイズ

デジタル大辞泉 「抜き出づ」の意味・読み・例文・類語

ぬき‐い・ず〔‐いづ〕【抜き出づ】

[動ダ下二]

㋐現れ出る。
御寺のかたはら近き林に―・でたるたかうな」〈横笛
㋑ひいでる。ぬきんでる。
容貌のすぐれたるにも百千の中に―・でたると」〈色道大鏡・一〉

㋐抜いて出す。引き抜く。
剣大刀つるぎたちさやゆ―・でて」〈・三二四〇〉
㋑選び出す。選抜する。
「すぐれたる限り―・で給ふめりしかば」〈増鏡おどろの下〉

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精選版 日本国語大辞典 「抜き出づ」の意味・読み・例文・類語

ぬき‐い・ず‥いづ【抜出】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ダ下二段活用 〙
    1. 引き抜いて取り出す。ぬきず。ぬきだす。ぬきいだす。
      1. [初出の実例]「百済の百姓の浮逃(にけ)て貫(へ)(た)えたる三四世(みつきよつきなりたる)者を括出(ヌキい)でて並に百済に遷して貫(へ)に附く」(出典日本書紀(720)継体三年二月(前田本訓))
      2. 「劔刀 鞘ゆ抜出(ぬきいで)て」(出典:万葉集(8C後)一三・三二四〇)
    2. 選び出す。選抜する。
      1. [初出の実例]「昨日相撲人中、抜出之相撲也」(出典:江家次第(1111頃)八)
      2. 「すぐれたる限りぬきいで給めりしかば」(出典:増鏡(1368‐76頃)一)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ダ下二段活用 〙 他よりすぐれて上に出る。ひいでる。ぬきでる。ぬきんでる。
    1. [初出の実例]「房前・宇合の子たちにて永手・百川とてぬきいでたる人々有て」(出典:愚管抄(1220)三)

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