抱接(読み)ホウセツ(その他表記)amplexus

デジタル大辞泉 「抱接」の意味・読み・例文・類語

ほう‐せつ〔ハウ‐〕【抱接】

雌雄個体が体を接して生殖口を近付け、雌が産んだ卵に雄がただちに精液をかける行為カエルなどにみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「抱接」の意味・読み・例文・類語

ほう‐せつハウ‥【抱接】

  1. 〘 名詞 〙 体外受精をする動物にみられる生殖行動一つ。雌雄両個体が体を密着させ、雌の産卵後、直ちに雄が精液をかける行為。

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改訂新版 世界大百科事典 「抱接」の意味・わかりやすい解説

抱接 (ほうせつ)
amplexus

雌雄の個体が体を密着させて互いの生殖口を近づけ,雌の産卵と同時に雄が精液をかける行為で,体外受精を行うカエルなどに見られる。カエルは,春になると生息地である陸から水辺の繁殖地へ移動してくる。この時期の雄は,mating callと呼ばれる鳴声を発し,雌を抱きかかえる(clasping)ためのこぶが前肢の指のつけ根に発達してくる。繁殖地では,雌は産卵を終えると陸へ戻るため,雄は雌よりはるかに多い。雌をめぐって雄どうしで争いが起こるが,最終的には,体の大きな雄が雌とつがいになり,産卵が始まる。雌は,雄のmating callをきき分けて,大きな雄を選ぶと考えられている。最終的に大きな雄とつがいになる意義は高い受精率にあるらしい。受精には,雌の放卵と雄の放精が同時に起こることが必要だが,小さな雄とのつがいは,放卵,放精の時期がずれ,また雌雄の生殖口の間に距離があるため,卵の受精率は低くなる。
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