押しかぶせ構造(読み)おしかぶせこうぞう(その他表記)nappe structure

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「押しかぶせ構造」の意味・わかりやすい解説

押しかぶせ構造
おしかぶせこうぞう
nappe structure

押しかぶせ断層によって,離れた地域から横に移動した岩盤におおわれている大規模な地質構造アルプス山脈の複雑な地質構造の主体になっている。強い横圧力によってゆるい断層面の上を本来の基盤でない岩盤が重なって山脈を形成するという学説を押しかぶせ説 nappe theoryという。横圧力によって地層褶曲し,両翼傾斜がほぼ等しい閉じた褶曲 (等斜褶曲) になるとともに,軸面が倒れて横臥褶曲となり,軸面とほぼ等しい断層面をもつ押しかぶせ断層が生じて,さらに上位の岩盤が横にずれるという構造発達過程が考えられる。この横臥褶曲と押しかぶせ断層を合せたものを押しかぶせ構造ということもある。押しかぶせ構造の地域が浸食によって,もとの岩盤と切り離され,断層面上に孤立しているものを根無地塊,断層面下の岩盤が顔を出しているものを地窓 Fensterという。アルプス山脈はいくつもの押しかぶせ地塊が重なって覆瓦状の構造がみられる。日本にもあるが,アルプス山脈にみられるような大規模で明瞭なものはない。 (→ナップ )  

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