押っ取る(読み)オットル

デジタル大辞泉 「押っ取る」の意味・読み・例文・類語

おっ‐と・る【押っ取る】

[動ラ四]《「おしとる」の音変化》
急いで手に取る。また、すっかり手に入れる。
わらはにもたせたる太刀―・り、するりと抜きて」〈曽我・一〉
相手言葉をすぐに引き取る。
「まづ何者ぞと問ひければ、五位すけ―・って」〈浄・用明天王

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「押っ取る」の意味・読み・例文・類語

おっ‐と・る【押取】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「おっ」は接頭語 )
  2. 急いで手に取る。勢いよく奪う。勢いよく手でつかむ。
    1. [初出の実例]「相模守自(ミづから)(わしり)下て其旗ををっ取て、切岸の前に突立て」(出典太平記(14C後)三四)
  3. わかったという様子で、相手の言葉をすぐにひきとる。
    1. [初出の実例]「との給へば、兄の時かげをっとって『何といふ共、がてんゆかず』」(出典:浄瑠璃・日本蓬莱山(1685頃)二)
  4. 要点をとる。簡約にする。また、ある事柄をその人なりに受けとる。
    1. [初出の実例]「正義に六借しうしたをっとっては此分ぞ」(出典:京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一〇)

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