持成(読み)もちなし

精選版 日本国語大辞典の解説

もち‐なし【持成】

〘名〙 身を持ちなす仕方。身のよそおい。ふるまい
※俳諧・歌仙そろへ(1666)「もちなしの盆報気成大黒に 俵の底もあきかぜぞふく〈宗因〉」

もち‐な・す【持成】

〘他サ四〙
① うまく扱う。取り持つ。とりなす。
※評判記・色道大鏡(1678)一四「座(ざ)をもちなせば、挙屋(あけや)・遣手等のよろこぶ事感する事限なし」
② ふるまう。処置する。
※長恨歌琵琶行和解(1540頃)「此人は我身を悪く持成てはさてと思て清浄厳飾に身をたしなむ也」

もて‐なし【持成】

〘名〙
① 教養、性格などによってかもし出される態度。身のこなし。ものごし。挙動。動作。ふるまい。
※源氏(1001‐14頃)若紫「の給ふ御もてなし、こわづかひさへ、目もあやなるに」
② 人に対する態度。人に対するふるまい方。人に対する遇し方。待遇。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「人のそしりをも、えはばからせ給はず、世のためしにもなりぬべき御もてなし也」
③ 人に対して、自分の望む結果が得られるようにしむけること。しむけ。とりはからい。処置。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「例ならずかかるは、内の御方の御もてなしにやあらむ」
④ 物の使いぶり。取り扱い方。
※源氏(1001‐14頃)若下「琵琶をうち置きて、ただ、けしき許ひきかけて、たをやかに使ひなしたるばちのもてなし」
⑤ 饗応。ごちそう。
※謡曲・八島(1430頃)「さりながらおもてなしに語って聞かせ申し候ふべし」
※浮世草子・好色一代男(1682)二「気さくなる翫(モテナ)し、是なる岸にあるてふ、海鹿藻(ひじきも)・みるくいを取揃、酒も大方に過て」

もて‐な・す【持成】

〘他サ五(四)〙
① 意図的に、ある態度をとってみせる。わが身を処する。
※蜻蛉(974頃)下「いふかひなくて、なかごろなきさまにもてなすも、わびぬればなめりかし」
② 見せかけの態度をとる。みせかける。
※今昔(1120頃か)二九「気色も更に不見せず不知せずして、我等も有る様に持成(もてな)して、夜打深更(うちふく)る程に忍て出て」
③ 何とか処置をする。対応してとりさばく。
※枕(10C終)四九「あるにしたがひ、さだめず、なに事ももてなしたるをこそよきにすめれ」
④ 相手を取り扱う。待遇する。あしらう。
※落窪(10C後)三「少輔(せう)はいとにくき物に思ひしみて、すげなくのみもてなしければ」
⑤ 大切に扱う。大事にする。
※枕(10C終)三七「梨の花、よにすさまじきものにして、ちかうもてなさず」
⑥ 手厚く歓待する。饗応する。ご馳走する。
※平家(13C前)一一「御前へめされまゐらせて、御引出物給はって、もてなされ給ひしありさま、めでたかりし儀式ぞかし」
※咄本・醒睡笑(1628)八「物相一飯(もっさういっぱん)をもてなし、茶をたてて出し」
⑦ 取りあげて問題にする。あれこれと取り沙汰する。もてはやす。
宴曲・撰要目録(1301‐19)「世にもてなし、時に盛りならむ末学の郢作、善悪の弁へ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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