(読み)ネツ

デジタル大辞泉 「捏」の意味・読み・例文・類語

ねつ【捏】[漢字項目]

[音]ネツ(呉) デツ(漢) [訓]こねる
こねて作りあげる。でっちあげる。「捏造ねつぞう・でつぞう

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精選版 日本国語大辞典 「捏」の意味・読み・例文・類語

つくね【捏】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 動詞「つくねる(捏)」の連用形の名詞化 ) 手でこねてまるくかためること。また、そのもの。〔和玉篇(15C後)〕
  3. つくねいも(捏芋)」の略。
    1. [初出の実例]「畑に植てまろがせとなるを。つくねと呼んで。其功もすくなく。其味も次也」(出典:俳諧・本朝文選(1706)四・説類・山芋説〈吾仲〉)
  4. 魚肉鶏肉をたたいて細かくし、卵や山芋などをつなぎに加え、手でこねて丸くしたもの。
  5. つくねあげ(捏揚)」「つくねやき(捏焼)」などの略。

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普及版 字通 「捏」の読み・字形・画数・意味


10画

(異体字)
12画

[字音] ネツ・デツ
[字訓] こねる

[字形] 形声
声符は(でつ)。用例もなく、捏も古くはみえない字である。轆轤(ろくろ)にかけて土器の形を整えることを示す字であろう。〔説文〕十一上に涅(でつ)の字があり、「土、水中に在るなり」とあり、その粘土質のものをとって、器を作る。捏は〔字林〕に「捺(おさ)ふるなり」、〔集韻〕に「搦(とら)ふるなり」というが、土器を握捺する意であるらしく、任意に整形をすることから、捏造の意となる。字はまたに作り、轆轤の台上で壺形の器を作る形。はまた(げつ)に作り、兒(げつ)声の字であるが、捏・は同じ字として扱われる。いまは捏が通行の字である。

[訓義]
1. こねる、にぎる、おさえる、ひねる、みな土器の器形を作ることをいう。
2. 字はまたに作る。

[語系]
捏・涅nyetは同声。この関係からいえば、捏は涅(水中の黒土)をとって、土器を作る意であろう。古い殷王朝の時代に、東方に灰陶・黒陶の作られた時期があった。

[熟語]
捏塑捏陥捏虚捏控捏構捏告捏詞捏称捏飾捏侵捏成捏舌捏素捏病捏稟捏誣捏報・捏名

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動植物名よみかた辞典 普及版 「捏」の解説

捏 (ツクネ)

植物。ヤマノイモ科の多年生つる植物。ツクネイモの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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