掛違う(読み)カケチガウ

デジタル大辞泉 「掛違う」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ちが・う〔‐ちがふ〕【掛(け)違う】

[動ワ五(ハ四)]
行き違う。「―・って会えなかった」
考え方などが食い違う。「話がどこか―・っている」
まちがった所にかける。かけまちがえる。「電話を―・う」
[類語]ちが異なるたが違えるたがえる食い違う畑違い勝手が違うことにする

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「掛違う」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ちが・う‥ちがふ【駆違・駈違・掛違】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. 馬を走らせて互いにすれ違う。また、走って互いにすれ違う。
      1. [初出の実例]「騎馬の兵多ければ、懸違(カケチガヒ)懸違敵を中に取籠めんとす」(出典太平記(14C後)八)
    2. ゆきちがいになる。「かけちがいまして」などの形で久しぶりに会った時のあいさつ語としても用いる。
      1. [初出の実例]「神前より御機嫌伺ひの為、御旅館へ参りしゆゑ、かけ違ひましたと相見えまする」(出典:歌舞伎・百千鳥鳴門白浪(1797)大序)
      2. 「貴女がお賤さんでございますか、駈違ってお目に掛りませんが」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉四四)
    3. 物事が一致しなくなる。くいちがう。
      1. [初出の実例]「余りに人々と自分との考へ方はかけちがってゐる」(出典:星座(1922)〈有島武郎〉)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ハ行下二段活用 〙
    1. ( 室町時代頃からヤ行にも活用した ) [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「追廻(をひまはし)懸違(カケチガ)へ、喚(をめ)き叫(さけん)で戦ふ声」(出典:太平記(14C後)三九)
    2. [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「夜の雨にぬるるも恋慕心にて かけ違へたるかねごとぞ憂〈令徳〉」(出典:俳諧・誹諧独吟集(1666)上)

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