日本大百科全書(ニッポニカ) 「採貝業」の意味・わかりやすい解説
採貝業
さいかいぎょう
貝類を採捕して利益を得る漁業の一種。採貝業が行われている範囲は第1種共同漁業権内の水深約50メートル以浅である。対象となる貝類は種類も多く、その生息場所も異なるので、それぞれに応じた漁獲方法が行われている。カキやイガイなどは手斧(ちょうな)、イガイおこしなどの漁具を用い、また、ごく浅い所のアサリやハマグリなどは人が直接桁網(けたあみ)を引いて漁獲する。それ以深のアサリ、ハマグリ、ミルガイ、タイラギ、アカガイ、ホタテガイなどは船から桁網を下ろし、それを船で引いて漁獲する。サザエやアワビなどは船上よりのぞき眼鏡で獲物を見ながら、サザエ突き、サザエとり、アワビとり、アワビ挟みなどの漁具を用いて漁獲する。これらのほかに、潜水して漁獲する方法があり、これには素潜り(スキンダイビング)とヘルメット式ないしスキューバ式がある。
[小橋二夫]