揖夜神社(読み)いやじんじや

日本歴史地名大系 「揖夜神社」の解説

揖夜神社
いやじんじや

[現在地名]東出雲町揖屋町

いちはら川河口の東岸に位置する。旧県社。祭神は伊弉冉命・大己貴命など四柱。「日本書紀」斉明天皇五年(六五九)条に言屋いふや社、「出雲国風土記」の意宇おう郡に伊布夜いふや社、「延喜式」神名帳の同郡には揖夜いふや神社とみえる。平安期以降揖屋社とみえ、明治初年現社名となる。「三代実録」によると貞観九年(八六七)五月二日に従五位上、同一三年一一月一〇日には正五位下に叙せられている。承安二年(一一七二)九月一六日の某補任状(写、井上家文書)によって揖屋社別火としての大宅氏の活動が確認される。鎌倉後期には揖屋庄内の神田に対して出雲国造が一定の支配権をもち(徳治二年一二月五日「出雲泰孝譲状」北島家文書)、室町期には神魂かもす神社(現松江市)の秋上氏が揖屋庄内北島分の代官を勤めているが(嘉吉三年六月一日「秋上秀尊譲状」秋上家文書など)、当社別火職の地位は大宅氏によって相伝され、南北朝中期までは揖屋庄領家がその地位を安堵している(正平一〇年六月七日「某袖判下文」井上家文書など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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