デジタル大辞泉
「摩擦音」の意味・読み・例文・類語
まさつ‐おん【摩擦音】
肺から口腔を通って出る呼気が、声門・咽頭・口腔内の調音器官のどこかで狭められて生じる音。[s][ʃ][z][ʒ]などの音。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
まさつ‐おん【摩擦音】
- 〘 名詞 〙
- ① 両唇、歯と唇、舌と歯茎、舌と口蓋などの間をせばめ、そのすき間に気息を通して発する音。f・s・zの音の類。〔発音教授法(1901)〕
- ② 物などが他の物とすれあうときに生ずる音。
- [初出の実例]「高い夜空で、鳴りつづける、速度のちがう風の摩擦音」(出典:砂の女(1962)〈安部公房〉二二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
摩擦音
まさつおん
fricative
肺からの呼気に対し,声門ないし調音器官が閉鎖をつくらない程度に狭いせばめをつくることによって生じる音。国際音声字母では次のものが用意されている。[Φ][ß] (両唇音) ,[f][v] (唇歯音) ,[θ][ð] (歯音) ,[s][z] (歯茎音) ,[ʂ][ʐ] (そり舌音) ,[∫][ʒ] (硬口蓋歯茎音) ,[æ][ʐ] (歯茎硬口蓋音) ,[ç][j] (硬口蓋音) ,[X][ɣ] (軟口蓋音) ,[χ][ʁ] (口蓋垂音) ,[∇][ʕ] (咽頭音) ,[h][ɦ] (声門音) 。日本語 (東京方言など) では概略的にいって,サ行子音が[s] (ただし,シと拗音は[æ],簡略表記では[∫]) ,母音間のザ行子音が[z] (同じく[ʐ],[ʒ]) ,ハ,ヘ,ホが[h] (人により[χ]も,母音間では[ɦ]も) ,ヒおよび拗音が[ç],フが人により[Φ],[x],[f] ([f]は母音が無声のとき) と表わせる摩擦音である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の摩擦音の言及
【音声学】より
…また,(c)舌を上位器官に接触させ,舌の側面から息を流し出すものを側音という。 上下の器官が接近する場合は〈せばめ〉で,(1)摩擦する音を生ずるものを摩擦音といい,そのうちとくに,(a)気流が上歯に向けられて発するものが歯擦音,(b)そうでないものが非歯擦音である。なお(2)摩擦する音を生じなければ半母音となる。…
【子音】より
…断続的接触ならば,舌先が歯茎を数回こするとき顫動(せんどう)音,1回こするとき弾音となる。(b)上下の器官が接近して気流に摩擦をおこせば摩擦音となる。歯茎[s,z]と硬口蓋歯茎[ʃ,ʒ]の摩擦音は,流出する空気が歯に向かって鋭い音を立てるので歯擦音と呼ぶ。…
※「摩擦音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 