摯虞(読み)しぐ(その他表記)Zhi Yu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「摯虞」の意味・わかりやすい解説

摯虞
しぐ
Zhi Yu

[生]?
[没]永嘉5(311)
中国,西晋の学者,文学者。長安の人。字,仲洽 (ちゅうこう) 。皇甫謐 (こうほひつ) に師事し,武帝により太子舎人に抜擢された。のち恵帝,懐帝に仕え光禄勲,太常卿に進んだが,西晋末の動乱でしばしば流浪の苦しみをなめ,劉総が洛陽を落した際餓死したといわれる。博学で知られ,懐帝のとき旧典の考証にあたった。編著『文章流別集』『文章流別志論』は,今日断片が伝わるだけであるが,中国における最も早い価値評価を含む文学選集,および文学批評とされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の摯虞の言及

【五言詩】より

…それは五言詩が事象を指摘し,客体を造型し,感情をくまなく表現し,外物を描写する上で,最も周到な働きをする文学形式であったためではなかろうか〉と五言の優点を指摘したのは,十分に正しいであろう。 五言詩は3世紀初めの〈建安文学〉において,従来の民間歌謡の形式から,知識人の思想感情表現の具となり,形式に工夫がこらされ,内容も多様化して,一流文学の位置を獲得したが,その淵源は古く,西晋の摯虞(しぐ)の〈文章流別志論〉(《芸文類聚》巻56所引)に〈五言なるものは,“誰か謂(い)う雀に角(つの)なしと,何を以って我が屋を穿(うが)つや”の属是(こ)れなり。俳優倡楽においてこれを用う〉との指摘がある。…

※「摯虞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android