撻懶(読み)だつらん(英語表記)Ta-lan; T`a-lan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「撻懶」の意味・わかりやすい解説

撻懶
だつらん
Ta-lan; T`a-lan

[生]?
[没]天眷2(1139)
中国,の将軍。撻攬とも書く。姓名は宗顔昌。撻懶は女真名。太祖,太宗の叔父にあたる盈歌 (えいか。穆宗〈ぼくそう〉) の子。初めと戦い,また元帥左監軍として宋と戦った。のち捕虜となっていた秦檜 (しんかい) を南宋に帰し,対金和議工作をさせ,天眷1 (1138) 年金・宋和議が成立。撻懶は右副元帥として魯国王に封じられた。だが斉国領の一部を南宋に返還する条件に不満をもつ宗翰宗弼 (そうひつ) らによって,翌年謀反を理由に誅殺された。

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世界大百科事典(旧版)内の撻懶の言及

【秦檜】より

靖康の変の時,金の傀儡(かいらい)政権(楚)樹立計画に反対したため,宋の皇族らと共に金に強制連行された。30年(建炎4)金の将軍,撻懶(たつらん)の了解の下に,夫人を伴い帰国した。37年(紹興7)撻懶が金の権力を握り,傀儡政権,斉(劉予)を取り潰したことは秦檜の出番を意味した。…

※「撻懶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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