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(渡部泰明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
平安後期・鎌倉初期の歌人。本名藤原定長。父は醍醐寺(だいごじ)の阿闍梨(あじゃり)俊海。父の出家後、藤原俊成(しゅんぜい)の養子となったが、のち辞して出家。西行に倣い諸国行脚をするとともに歌人としても活躍した。御子左(みこひだり)家の一員として九条家歌壇に属していたが、後鳥羽院(ごとばいん)による新古今歌壇形成とともに、活躍はさらに目覚ましく、1201年(建仁1)和歌所寄人(よりゅうど)に、ついで『新古今和歌集』の撰者(せんじゃ)に選ばれたが、翌年没し、選歌は上進していない。「六百番歌合(うたあわせ)」のおりの六条家の顕昭(けんしょう)との論争(独鈷鎌首(とっこかまくび)の争い)、三夕(さんせき)の歌「さびしさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮」で知られる。家集に『寂蓮法師集』がある。
[後藤重郎]
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