擬塩基(読み)ぎえんき(英語表記)pseudo-base

日本大百科全書(ニッポニカ) 「擬塩基」の意味・わかりやすい解説

擬塩基
ぎえんき
pseudo-base

そのものだけでは水中においても塩基としての性質を示さないが、酸が存在すると塩基性物質異性化するようなものをいう。たとえばの(Ⅰ)は水中でもOH-を失わないが、酸を加えると徐々に(Ⅱ)となる。したがってこの場合の(Ⅰ)は擬塩基である。

[中原勝儼]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「擬塩基」の意味・わかりやすい解説

擬塩基
ぎえんき
pseudo base

共有結合した水酸基をもつ有機化合物で,溶媒の中で水酸化物イオン解離せず,したがって普通の意味での塩基性を示さない。しかし,酸の存在でその水酸基が水酸化物イオンとして脱離して,酸との塩を生じる。トリフェニルメタン染料におけるカルビノール塩基がその例。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android