擬声語・擬態語(読み)ぎせいごぎたいご

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自然界で生じる種々の音や声を言語音で模写した語を擬声語といい、自然界に生起するさまざまの状態を言語音で模写した語を擬態語とよぶ。擬声語は、ゴーン、ドタン、ガタガタなどの語で、擬音語ともいわれる。擬態語は、ベットリ、キラキラ、ツルンなどの語で、擬容語ともいわれる。擬声語・擬態語を総称して、象徴詞、象徴辞、声喩(せいゆ)、オノマトペなどという。

 擬声語・擬態語は、語音と意味との間に心理的な必然関係をもつ特殊な語である。たとえば、「古寺の鐘がゴーンと鳴る」と聞くと、鐘の音そのものをじかに耳にする思いがする。「べっとり血がつく」と聞けば、粘り気のある血が一面にこびりついているあの嫌な感触をただちに思い起こす。このように、擬声語・擬態語は、語音と意味とが直接的に結び付いているため、理性よりも感情に訴え、迫真的効果をあげる。絵本や童話、漫画や劇画に擬声語・擬態語が多用されるのは、こうした擬声語・擬態語の特殊な効果を期待したものである。「海」「泳ぐ」「青い」などの普通の語では、語音と意味とが直接的に結び付いているのではなく、社会的な約束によって結び付けられた間接的な関係にある。したがって、普通の語には、擬声語・擬態語のもつ迫真性はない。

 擬声語・擬態語は形態的にも特殊な構造をもち、いくつかの類型に分類することができる。現代語では、Aッ(サッ)、Aン(ドン)、Aー(ジュー)、ABッ(カタッ)、ABン(ドキン)、ABAB(ピカピカ)、ABリ(ブラリ)、AッBリ(パックリ)、AンBリ(ドンヨリ)などの型が頻繁に用いられる。これらの語は、「と」を伴って連用修飾語として機能することが多い。

[山口仲美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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