攀枝花(読み)はんしか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「攀枝花」の意味・わかりやすい解説

攀枝花
はんしか / パンジホワ

中国、四川(しせん)省南西隅にある地級市。雲南(うんなん)省境付近、揚子江(ようすこう)上流部の金沙江(きんさこう)南岸に位置する。3市轄区、2県を管轄する(2016年時点)。人口111万9000(2014)。1965年、四川省の米易(べいえき)・塩辺(えんへん)両県と雲南省の永仁(えいじん)・華坪(かへい)両県より分けて渡口(とこう)市が設置され、1987年に現名に改称した。省都成都(せいと)から雲南地方への自動車道および1970年に建設された成昆線の支線沿いにあり、近郊には2003年開港の攀枝花保安営空港がある。付近の鉄鉱石と南の宝鼎(ほうてい)の石炭による鉄鋼、火力発電のほかに、機械、食品などの工業もみられる工業都市である。2015年には、1人当りの域内総生産(GDP)が7万5078元(約144万円)に達し、省内1位となった。

[小野菊雄・編集部 2017年8月21日]

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改訂新版 世界大百科事典 「攀枝花」の意味・わかりやすい解説

攀枝花 (はんしか)
Pān zhī huā

中国,四川省南西端の市。人口69万(2000)。唐代に会川県,元代に会理州等がおかれたが,もともとイ(彝)族,ナシ(納西)族など少数民族の居住地域。1965年雲南省永仁・華坪,四川省塩辺・米易・会理各県の一部を合併して渡口市が成立,87年現名に改称。貴州省六盤水とともに中国西南部の重点とされ,市北西部の攀枝花(はんじか)鉄鋼公司を中心に開けた工業都市。含バナジウム・チタン磁鉄鉱の埋蔵量は中国最大で,石炭をはじめ冶金用原料も産し,一大コンビナートを形成する。
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世界大百科事典(旧版)内の攀枝花の言及

【四川[省]】より

…瀘州には広範な天然ガス田が分布しており,ガスの採取と中国最大級の尿素生産などの化学工業が発展し,濾州老窖(大麴酒)などの古来の名酒製造工場もある。西部高原南部の攀枝花(はんしか)には,攀枝花鉄鋼公司やチタン・バナジウム鉄鉱などの鉱山があり,1965年周辺の県や雲南省の県の一部を合併し市制をしいた工業都市である。その他,南充の石油精製,宜賓の中国西南部最大の製紙,全国名酒〈五糧液〉製造などの工業がある。…

※「攀枝花」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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