故付く(読み)ユエヅク

デジタル大辞泉 「故付く」の意味・読み・例文・類語

ゆえ‐づ・く〔ゆゑ‐〕【故付く】

[動カ四]由緒がありそうである。子細ありげである。風情がある。
「あてはかに―・きたれば」〈夕顔
[動カ下二]子細ありげに振る舞う。趣をつけそえる。
「おのづから一つ―・けて、し出づることもあり」〈帚木

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精選版 日本国語大辞典 「故付く」の意味・読み・例文・類語

ゆえ‐づ・くゆゑ‥【故付】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行四段活用 〙
    1. よい家柄の出であるような趣味・感覚気品教養などが身についている。趣がそなわる。品格がそなわる。ゆえぶ。
      1. [初出の実例]「そこはかとなく書きまぎらはしたるもあてはかにゆへつきたれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
      2. 「つややかなる狩衣に、濃き指貫(さしぬき)、いとゆゑづきたるさまにて」(出典徒然草(1331頃)四四)
    2. 関係がつく。関係する。
      1. [初出の実例]「これは、その物にゆへづきたるを、見なし聞きなしたとへたる、興の句なるべし」(出典:ささめごと(1463‐64頃)上)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 由緒ありげな優雅な風趣を身につける。
    1. [初出の実例]「はかなきすさびをも、人まねに心をいるる事もあるに、おのづから一つゆへつけてしいづることもあり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)

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