故殺(読み)コサツ

デジタル大辞泉 「故殺」の意味・読み・例文・類語

こ‐さつ【故殺】

[名](スル)
故意に人を殺すこと。
一時激情によって殺意を生じ、人を殺すこと。旧刑法上の用語で、計画的な謀殺と区別して用いた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「故殺」の意味・読み・例文・類語

こ‐さつ【故殺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 故意に人を殺すこと。
    1. [初出の実例]「咸赦除之。其犯八虐。故殺人。謀殺人已殺。賊盗。常赦所免者。不赦限」(出典:続日本紀‐和銅元年(708)正月一一日・宣命)
    2. [その他の文献]〔元史‐刑法志四・殺傷〕
  3. 感情の一時的激発により殺意を生じとっさに行なう殺人。旧刑法で謀殺と区別して用いた語。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「故殺」の読み・字形・画数・意味

【故殺】こさつ

故意に殺す。

字通「故」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の故殺の言及

【他殺】より

…また,この他殺には新産児殺(嬰児殺し)192件(12%)が含まれている。なお,英語のmurder(謀殺)は,あらかじめ思慮をめぐらして殺人の意思を遂行して人を殺すこと,manslaughter(故殺)は一時的な感情激発によって人を殺すことをさし,一般に他殺はhomicideという。【小嶋 亨】。…

【謀殺】より

…諸外国の立法例に見られるように故意による殺人罪をさらに分類する場合,計画的なもの,動機や方法および態様がとくに高い非難に値するものなど,犯人の危険性のとくに高いものをいう。それ以外の故意の殺人罪として分類される故殺manslaughter,Totschlag,meurtreに比し,重く処罰され,死刑や無期自由刑を科すとする立法例も多い。日本の刑法は謀殺・故殺の区別をもたない。…

※「故殺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android