敢ふ(読み)アウ

デジタル大辞泉 「敢ふ」の意味・読み・例文・類語

あ・う〔あふ〕【敢ふ】

[動ハ下二]
耐える。持ちこたえる。→えなむ
「秋風に―・へず散りにしならしばのむなしき枝に時雨すぐなり」〈秋篠月清集
おして…する。しとげる。→敢えて
(他の動詞の連用形に付いて)すっかり…する。…しつくす。→敢えず
天雲に雁そ鳴くなる高円たかまとの萩の下葉はもみち―・へむかも」〈・四二九六〉
[補説]現代では副詞化した「あえて」のほか「あえず」の形で用いられる。

おう〔あふ〕【敢ふ】

[動ハ下二]あ(敢)う

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「敢ふ」の意味・読み・例文・類語

あ・うあふ【敢】

  1. 〘 自動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. ことを全うする。こらえきる。耐える。抵抗する。がまんする。→あえずあえてあえなむ
  3. ( 他の動詞の下に付いて、補助動詞的に用いる ) 十分にそうする。完全にそうする。押し切ってそうする。→あえず
    1. [初出の実例]「常の恋いまだやまぬにみやこより馬にこひ来ば荷ひ安倍(アヘ)むかも」(出典万葉集(8C後)一八・四〇八三)

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