敢えて(読み)アエテ

デジタル大辞泉 「敢えて」の意味・読み・例文・類語

あえ‐て〔あへ‐〕【▽敢えて】

[副]《動詞「あ(敢)う」の連用形+接続助詞「て」から》
1 やりにくいことを押しきってするさま。無理に。「言いにくいことを敢えて言おう」
2 (あとに打消しの語を伴って)
㋐特に取り立てるほどの状態ではないことを表す。必ずしも。「敢えて驚くにはあたらない」
㋑打消しを強める。少しも。全く。
「―然そうで無いです」〈鏡花・日本橋〉
[類語]努めて・できるだけ・極力・なるたけ・なるべく・可及的・必ず・きっと・絶対・是非・何としても・どうしても・何が何でも・是が非でも・どうぞ・どうか・くれぐれも・願わくは・なにとぞ・なんとか・まげて・ひとつ・必ずや・必然・必定・必死・不可避・誓って・てっきり・違いない・はず・決まって・すなわち・否が応でも・否でも応でも・否いやでも・否いやとも・是非とも・強いて・押して・たって・むりやり・無理・無理算段・無理無体・無理押し・無理強じい・強制的・強引・強気・強行・独断・独断的・理不尽・強硬・頑強・問答無用・強要・力尽く・力任せ・腕尽く・ごり押し・断固・一刀両断・横柄・威圧的・否応無し・頑として・横紙破り・横紙を破る・有無を言わせず・腕力に訴える・横車を押す・押し付けがましい・ねじ伏せる・首に縄を付ける・遠慮会釈もない・無遠慮・高圧的・高飛車・頭ごなし・押し通す・押し付ける・一方的・豪腕・故意・わざと・殊更・作意・作為・意識的・意図的・計画的・作為的・未必の故意・積極的・能動的・自発的・わざわざ・殊の外・殊に・好んで・わざとらしい・こと新しい・せっかく・とりわけ・平に・なにぶん・心しんから・心こころから・衷心・返す返す・とくと・とっくり・重ね重ね ・自ら・手ずから・直直じきじき・直接・直接的・直じかに・身を以て・ダイレクト・アクティブ・アグレッシブ・自主的・主体的・意欲的・精力的・進取・進んで・求めて・喜ぶ・喜んで・前向き・乗り気・我先・我勝ち・えいやっと・野心満満・活発・快活・精彩・元気・活動的・動的・ダイナミック・エネルギッシュ・エナジェティック・脂あぶらが乗る・水を得た魚うおのよう・建設的・肯定的・発展的・ポジティブ・情熱的・熱狂的・熱情的・白熱的・激越・狂熱・熱烈・烈烈・熱血・熱っぽい・血が騒ぐ・血気盛ん・パッショネート・ホット・バイタル・バイタリティー・生き生き・溌剌はつらつ・生生せいせい・ビビッド・奮って・我も我も・しゃにむに・我劣らじと・断然・思い切って・伸のるか反るか・思う様・思う存分・存分・思いのまま・力一杯・精一杯・率先・果敢・惜しみない・意気込む・本腰・腰を入れる・入れ込む・ひたむき・もりもり・盛ん・鬱然・澎湃ほうはい・勃勃・油然ゆうぜん・湧然・沸沸・むくむく・みなぎる・みなぎらす・溢あふれる・燃え上がる・沸き上がる・沸き立つ・込み上げる・たぎる・高ぶる・発揚・燃える・燃え立つ・鼻息が荒い・血気に逸はやる・奮い起こす・奮い立つ・気を吐く・肩肘かたひじ張る・勢い込む・気張る・張り切る・腕が鳴る・腕に縒よりをかける・ハッスル・したり顔・自慢顔・自慢たらしい・胸を張る・得意満面・得意顔・有頂天・意気揚揚・鬼の首を取ったよう・欣喜雀躍きんきじゃくやく・意気が揚がる・どや顔・手柄顔・天狗になる・見得を切る・大見得を切る

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精選版 日本国語大辞典 「敢えて」の意味・読み・例文・類語

あえ‐てあへ‥【敢て・肯て】

  1. 〘 副詞 〙 ( 動詞「あう(敢)」の連用形に助詞「て」が付いて一語化した語 )
  2. ① ( 肯定にも否定にも用いる ) 困難な状況をおして。積極的に、力いっぱいに。
    1. [初出の実例]「いざ児等(こども) 安倍而(アヘて)漕ぎ出む にはも静けし」(出典:万葉集(8C後)三・三八八)
  3. ② ( 否定辞と呼応して用いる )
    1. (イ) ( 強めていう ) いっこうに。さっぱり。決して。
      1. [初出の実例]「成出で清げならぬをばあへて仕うまつらせ給ふべきにもあらず」(出典:栄花物語(1028‐92頃)かがやく藤壺)
    2. (ロ) ( ふつうは、そうでないのではないかと思われることでも、取り立てて異をさしはさまない態度を、積極的に示す ) 別に、取り立てて。わざわざ…するというのではない。
      1. [初出の実例]「敢て世塵を厭ず」(出典:俳諧・おらが春(1819))

敢えての語誌

平安時代には、漢文訓読系の資料に多く、仮名文系の資料には、あまり見られない。漢文訓読の場合、否定を伴った「不敢」「不肯」等の訓読に用いられ、「アヘテ…ズ」などとなる。仮名文でも、「敢ふ」は用いられるが、この場合も否定語を伴った「…あへず」「え…あへず」が多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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