秋篠月清集(読み)あきしのげっせいしゅう

世界大百科事典 第2版の解説

あきしのげっせいしゅう【秋篠月清集】

藤原良経の自撰家集。4巻。1610余首を収める。《新古今集》成立の1205年(元久2)前後に成ったと思われる。定家本系,教家本系,両者の混交本系など,組織を異にする多くの伝本のどの内題にも,〈式部史生(ししよう)秋篠月清集〉とある。そのほか〈南海漁夫〉〈西洞隠士〉などの謙退仮名(かめい)をも用い,良経の隠者志向がうかがわれるが,人生の無常をも見つめた長高清雅な歌境が,この家集の価値を高めている。【上条 彰次】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

秋篠月清集
あきしのげっせいしゅう

藤原良経(よしつね)の自撰(じせん)家集。正式書名は『式部史生(しきぶしじょう)秋篠月清集』で、略称は『月清集』。成立は1204年(元久1)11月ごろ。内容は、前半に定数歌の花月百首・二夜(ふたよ)百首などの9種の百首歌と院無題五十首・院句題五十首の2種の五十首歌を収め、後半に四季、祝、恋、旅、雑、無常、神祇(じんぎ)、釈教(しゃっきょう)などの部類歌を収める。新古今的な歌風のなかでも、風格のある歌で、漢詩的世界を摂取した点に特色がある。深い情趣をたたえた歌風で、長高(たけたかし)と評された歌が多くみられる。伝本は、教家(のりいえ)本(良経次男の教家が1221年書写)歌数1615首と、定家(ていか)本(良経の草稿本を定家と民部卿局(みんぶきょうのつぼね)が1228年書写)歌数1611首に分ける。良経の詠歌の大部分を収載。

[有吉 保]

『片山享著『校本秋篠月清集とその研究』(1976・笠間書院)』『青木賢豪著『藤原良経全歌集とその研究』(1976・笠間書院)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

あきしのげっせいしゅう ‥ゲッセイシフ【秋篠月清集】

鎌倉前期の私家集。二巻または四巻。歌数は一六一五首。藤原良経自撰。題名は良経の筆名、式部史生秋篠月清に由来する。六家集の一つ。式部史生秋篠月清集。月清集。

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