デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「文々舎蟹子丸」の解説
文々舎蟹子丸(初代) ぶんぶんしゃ-かにこまる
安永9年生まれ。幕府与力。狂歌を大田南畝(なんぽ)(初代蜀山人)にまなび,のち葛飾(かつしか)連の頭目となる。江戸本所割下水にすみ,「ブンブン,蚊(か)にこまる」を狂号とした。天保(てんぽう)8年2月9日死去。58歳。本名は久保有弘。字(あざな)は匡寛。通称は泰十郎。別号に葛飾翁。著作に「職人尽狂歌合(しょくにんづくしきょうかあわせ)」など。
…これに次ぐ江戸狂歌の第二世代として宿屋飯盛,鹿都部真顔(しかつべのまがお),頭光(つぶりひかる),馬場金埒の狂歌四天王があり,なかでも天明調の純正狂歌を主張する飯盛と,優美高尚な狂歌を主張して〈俳諧歌〉と称した真顔は,文政(1818‐30)に至るまで長くライバルとして活躍した。文政以後は芍薬亭長根,文々舎蟹子丸らが活躍した。天明江戸狂歌は地方にも及んだが,京都,大坂,中国地方などには,中期上方狂歌の末流が勢力を保っていた。…
※「文々舎蟹子丸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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