判者(読み)ハンザ

デジタル大辞泉 「判者」の意味・読み・例文・類語

はん‐ざ【判者】

はんじゃ(判者)2

はん‐じゃ【判者】

物事優劣可否を判定する人。
歌合わせ・句合わせなどで、作品の優劣・可否を判定する人。はんざ。

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精選版 日本国語大辞典 「判者」の意味・読み・例文・類語

はん‐じゃ【判者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 歌合や詩合などで、作品の優劣・可否を判定する人。
    1. [初出の実例]「奉勅為判者」(出典:天徳闘詩行事略記(959))
  3. 句合で、俳句の優劣を判定する人。点者。
    1. [初出の実例]「いづれのかちまけをも、え定め侍らぬは、こころぎたなき、判者(ハンジャ)なめり」(出典:俳諧・貝おほひ(1672)一〇番)
  4. 物事の優劣・可否などを判定する人。調停者。仲裁者。判者人(はんじゃにん)。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「若女両道を兼たる色道者を判者(ハンジャ)と定め」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)二)
  5. 保証人。請人。
    1. [初出の実例]「身うりの事、ぬす人のさいくわたるべし。〈略〉はんしゃをたててかふのときに」(出典:塵芥集(1536)六七条)

はん‐ざ【判者】

  1. 〘 名詞 〙はんじゃ(判者)
    1. [初出の実例]「心ぎたなきはんざなり」(出典:青表紙一本源氏(1001‐14頃)梅枝)

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世界大百科事典(旧版)内の判者の言及

【歌合】より

…また当座歌合,兼日歌合,撰歌合,時代不同歌合,自歌合,擬人歌合など,歌人関与のあり方を規準として区分することもあって,歌合の分類は多岐複雑である。 またその構成は,人的構成にのみ限っていうと,王朝晴儀の典型的な歌合にあっては,方人(かたうど)(左右の競技者),念人(おもいびと)(左右の応援者),方人の頭(とう)(左右の指導者),読師(とくし)(左右に属し,各番の歌を順次講師に渡す者),講師(こうじ)(左右に属し,各番の歌を朗読する者),員刺(かずさし)(左右に属し,勝点を数える少年),歌人(うたよみ)(和歌の作者),判者(はんじや)(左右の歌の優劣を判定する者。当代歌壇の権威者または地位の高い者が任じる)などのほか,主催者や和歌の清書人,歌題の撰者などが含まれる。…

【物合】より

…左方,右方に分かれ,たがいに物を出し合って優劣を競い,判者(はんじや)が勝敗の審判を行い,その総計によって左右いずれかの勝負を決める遊戯。物合は歌合,相撲(すまい),競馬(くらべうま),賭射(のりゆみ)などとともに〈競べもの〉の一種であるが,歌合,詩合などをも含む広範囲に及ぶ各種の合わせものを一括していうことも多い。…

※「判者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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