文明の衝突(読み)ぶんめいのしょうとつ(その他表記)clash of civilizations

知恵蔵 「文明の衝突」の解説

文明の衝突

ポスト冷戦の世界では、イデオロギー対立に代わり文明対立紛争の主な要因となるという主張。米国のS.ハンチントンが提唱。主要文明を西欧イスラム儒教、日本など8つに分類、現代史を西欧の優位に対してイスラム・儒教などが台頭しようとする文明間のパワーシフトと描き出す。文明圏を単位とした地域主義、一部での原理主義の台頭を共通の傾向とし、旧ユーゴ紛争(ユーゴスラビア内戦)、湾岸戦争、中国の台頭などを文明の対立という図式で説明。冷戦後の紛争をどう考えるか混乱した米国で、新しい敵を見定める図式の提示として話題を呼んだ。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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