日本歴史地名大系 「文明記」の解説 文明記ぶんめいき 一冊別称 長谷場宗純文明記 長谷場宗純編成立 慶長一二年写本 鹿児島大学附属図書館玉里文庫・鹿児島県立図書館など解説 文明年間飫肥をめぐって櫛間の伊作久逸が飫肥の新納忠続へ軍事介入し、薩摩・大隅・日向三国を巻込む大乱が発生、その合戦の経過と収束を叙述した軍記。この合戦については天文二四年に薩隅日内乱記(内閣文庫など)が成立しており、当時の守護島津忠昌の徳をたたえるかたちで終末が叙述されたが、本宗家を伊作氏が継承し近世島津家が確定するに及び、末尾が削除・改変されることで「文明記」が成立した。合戦過程などの記述はおおむね薩隅日内乱記の内容を継承している。 文明記ぶんめいき 一冊写本 東京大学史料編纂所ほか解説 島津家旧蔵本には内題に「戦札」、末尾に「天文廿四年卯月廿六日書之」とあり、鹿児島大学附属図書館玉里文庫には題名「長谷場越前守宗純文明記」と題名があり、慶長一二年の同人から川上左近将監宛の手記を付す。内容は文明年間島津忠昌代に櫛間の伊作久逸が飫肥の新納忠続と対立抗争し、領内全域に波及する大乱(伊作久逸の乱)となり、その収拾に忠昌が腐心、合戦和議終息するまでの経過を詳細に記している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by