斎垣(読み)イガキ

デジタル大辞泉 「斎垣」の意味・読み・例文・類語

い‐がき【斎垣】

《「いかき」とも》神社など、神聖な場所に巡らした垣。瑞垣みずがき玉垣たまがき
「ちはやぶる神の―も越えぬべし今は我が名の惜しけくもなし」〈・二六六三〉

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精選版 日本国語大辞典 「斎垣」の意味・読み・例文・類語

い‐がき【斎垣・忌垣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「いかき」とも。「い」は「斎み清めた神聖な」の意の接頭語 ) 神社など、神聖な場所の周囲にめぐらした垣。みだりに越えてならないとされた。みずがき。
    1. [初出の実例]「ちはやぶる神の伊垣(イかき)も越えぬべし今はわが名の惜しけくもなし」(出典万葉集(8C後)一一・二六六三)
    2. 「ちはやぶる神のいがきにはふ葛も秋にはあへずうつろひにけり〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋下・二六二)

いみ‐がき【斎垣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いがき(斎垣)
  3. 兜の鉢の下縁にめぐらす金銅の飾り金物。多く、総覆輪(そうふくりん)筋鉢(すじばち)の飾りとし、筋の間を八双(はっそう)形として猪目透(いのめすかし)を入れる。

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世界大百科事典(旧版)内の斎垣の言及

【垣】より

…したがって,日本の垣根の名称には,材料や形式を指示するもののほかに,神聖なものを意味する場合や,美称であるものがかなり多い。瑞垣,玉垣,斎垣(いがき∥いみがき)は,神社・寺院・墓地などに用いられる垣で,特定の形式を指すものではない。日本以外の地域でも,その風土や歴史に従って多くの形式の垣が見られる。…

【垣】より

…したがって,日本の垣根の名称には,材料や形式を指示するもののほかに,神聖なものを意味する場合や,美称であるものがかなり多い。瑞垣,玉垣,斎垣(いがき∥いみがき)は,神社・寺院・墓地などに用いられる垣で,特定の形式を指すものではない。日本以外の地域でも,その風土や歴史に従って多くの形式の垣が見られる。…

※「斎垣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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