斗蔵山(読み)とくらやま

日本歴史地名大系 「斗蔵山」の解説

斗蔵山
とくらやま

角田市南西部、東流する小田おだ川上流にある。標高約二三八メートル。さして高くはないが、角田盆地の西辺に屹立し、伊具いぐ郡内はもちろん、刈田かつた・柴田・名取郡の高山から金華山きんかさん(現牡鹿郡牡鹿町)まで眺望の利くことで知られ、それにもましてカシその他の美林で名高い。「観蹟聞老志」によれば「山頭古松路暗老杉陰深シ羊腸回山樹数千株」の樫木があり、竹・槲が樹間に交じり、秋には槲が紅葉して「深紅緋々好看」という。南北二町一〇間・東西六一間の樫木の御林があった(小田村安永風土記)。現在は風致保安林・学術参考林に指定され、その林相の保全を期している。樹種はカシ、モミカヤケヤキカエデ、クリ、ナラ、アカマツ、ヤマザクラなど多彩で、とくにウラジロカシの自生北限地として注目される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android