ヤマザクラ

百科事典マイペディア 「ヤマザクラ」の意味・わかりやすい解説

ヤマザクラ

本州(東北南部以西)〜九州山野にはえるバラ科の落葉高木。樹皮は紫褐色で横に長い皮目が目立ち,枝には初めから毛がない。葉は長楕円形で長さ8〜12cm,鋭細歯をもち,下面は白っぽい。葉柄赤みがあり,上端に1対の腺がある。花は春,数個ずつ散房状について,葉と同時に開き,径2.5〜3cm,微紅色の5弁花。後に紫黒色果実を結ぶ。ソメイヨシノ出現以前の花見主役はほとんど本種で,奈良の吉野山,京都嵐山などが知られる。現在も庭園に広く植えられる。材は家具,器具版木などに使う。
→関連項目サクラ(桜)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマザクラ」の意味・わかりやすい解説

ヤマザクラ
やまざくら / 山桜
[学] Cerasus jamasakura (Sieb. ex Koidz.) H.Ohba
Prunus jamasakura Sieb.

バラ科(APG分類:バラ科)の落葉高木。宮城県以西の本州から九州の山地に生え、日本サクラを代表する一つ。赤茶色に染まった新葉と同時に淡紅色花を開き、成葉は緑色裏面は白みが強い。日本の西南部にあるヤマザクラの海岸型をツクシヤマザクラという。

小林義雄 2020年1月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマザクラ」の意味・わかりやすい解説

ヤマザクラ(山桜)
ヤマザクラ
Prunus jamasakura

バラ科の落葉高木。本州の関東以西,南日本に分布し,変異が多い。山地に自生するが,しばしば栽植される。幹は高さ 7m内外,樹皮は横に裂け,暗褐色,小枝は毛がない。葉は長楕円形で柄があり下面は粉白色を帯び,若いときには上面にまばらに毛がある。葉柄の上部に2個の点状の蜜腺がある。4月頃に,赤褐色の新葉と同時に短柄の散房花序を出し,淡紅色の花を開く。萼,花弁とも5枚でいずれも水平に開く。核果は紫黒色に熟する。材は建築,家具材など広く利用され,樹皮ははがしてたばこ入れなどをつくり,薬用にもされる。

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リフォーム用語集 「ヤマザクラ」の解説

ヤマザクラ

バラ科サクラ属の落葉広葉樹。散孔材。漢字では山桜。学名はPrunus jamasakura。加工性、着色性ともに優れ、磨くと光沢がでる。乾燥はやや困難であるが、狂いは少なく、耐久性は高い。 高級家具材、建築材、造作材として使用されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「ヤマザクラ」の意味・わかりやすい解説

ヤマザクラ

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世界大百科事典(旧版)内のヤマザクラの言及

【サクラ(桜)】より

…一般にサクラと総称しているものは,主として北半球の温帯と暖帯に分布しているバラ科サクラ属サクラ亜属の主として落葉性の樹木で,花がいっせいに開花して美しいものが多く,広く観賞されている。日本にはヤマザクラ,オオヤマザクラをはじめ,カスミザクラ,オオシマザクラ,マメザクラ,エドヒガン,チョウジザクラ,ミヤマザクラ,タカネザクラなど10種類ほどの自然種を基本として,変種や品種をあわせると約100ほどの種類が野生している。サクラ類の多くは陽樹で,しかも二次林を構成する生長の速い種が多いため,人家で栽植するにも好適であり,これらの野生種から多数の園芸品種が育成され,その数も200から300といわれる。…

※「ヤマザクラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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