新楽劇論(読み)シンガクゲキロン

デジタル大辞泉 「新楽劇論」の意味・読み・例文・類語

しんがくげきろん【新楽劇論】

演劇理論書。坪内逍遥著。明治37年(1904)刊。日本演劇改良方策として、舞踊劇を国民的娯楽と国際的理解観点から論じたもの。→新舞踊劇運動

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改訂新版 世界大百科事典 「新楽劇論」の意味・わかりやすい解説

新楽劇論 (しんがくげきろん)

演劇書。坪内逍遥著。1904年(明治37)11月刊。国劇を文明列国に比肩できるものとするため,その刷新を説いた新舞踊劇論。振事劇欠点を除き,長唄などを基調特質を生かしつつ,在来邦楽はもちろん,洋楽なども加えて新楽劇を作るべきであるとする。その実践作として《新曲浦島》を同時に公刊した。新舞踊劇運動の端をひらいた先駆的著述
新舞踊
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の新楽劇論の言及

【日本舞踊】より

…しかし狭義では歌舞伎舞踊を指し,ふつう,これが一般的用語となっている。〈舞踊〉という語はまわるという意味の〈(まい)〉とおどり上がるという意味の〈踊り〉という語を合成したもので,1904年坪内逍遥が《新楽劇論》中で用いたのが最初といわれる。
[歴史]
 日本における舞踊の初めは,招魂(たまふり)・鎮魂(たましずめ)の呪術としての神楽にあり,以後,大和舞(やまとまい),楯臥舞(たてふしまい),隼人舞(はやとまい),久米舞(くめまい),古志舞(こしまい),吉士舞(きしまい),殊舞(たつつまい),田舞(たまい),五節舞(ごせちのまい),東遊(あずまあそび)などが行われた。…

【舞踊】より

…以後,歌舞伎の発達にともない,歌詞を基調とし物真似の〈振り〉を重視する独特の歌舞伎舞踊が形成され,演者も女方専門から立役に広がり,振付を専門とする振付師もあらわれた。 舞踊という語は〈(まい)〉と〈踊り〉との合成語で,日本では舞は回るという旋回運動を意味し,踊(躍)りはおどり上がるという跳躍を意味し,それぞれ歴史をもつものだったが,1904年坪内逍遥が《新楽劇論》の中で用いてから一般に普及した。それ以前は明治期に外国語のダンスの訳語として舞踏という語が使われていた。…

※「新楽劇論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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