新穂町村(読み)にいぼまちむら

日本歴史地名大系 「新穂町村」の解説

新穂町村
にいぼまちむら

[現在地名]新穂村新穂

新穂川と大野おおの川とが最も接近して流れる地域にある。えびすみなと(現両津市)畑野はたの(現畑野町)新町しんまち(現真野町)方面を結ぶ道と尾花崎おはなざき(現金井町)方面へ通じる道とが交わる。両河川の下流部は下新穂しもにいぼ村・北方きたがた村。南の大野川対岸は大野村。もとは下・上両新穂村と一村をなしていたが、慶長五年(一六〇〇)初めて市町を構えたという(撮要佐渡年代記)。大野の滝沢たきざわ銀山が中世末から開発されたと伝えるので、鉱山従業者の物資の運送や娯楽場として町化したと思われる。元禄七年(一六九四)検地帳(新穂区有)では屋敷七六筆。「佐州巡村記」では戸口は一三八軒・四八〇人。耕地は畑のみ一町八反余。「佐渡四民風俗」に「新穂は国中の内商家の通用宜敷場所故、相応に取廻し候者不絶有之場所」と記され、膳部箱・曲物類の細工師・塗師や赤玉あかだま(現両津市)の煙草を仕入れて商う者や飴商などがいて賑った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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