方違神社(読み)かたたがいじんじや

日本歴史地名大系 「方違神社」の解説

方違神社
かたたがいじんじや

[現在地名]堺市北三国ヶ丘町二丁

田出井山たでいやま古墳北東、旧長尾街道沿いに鎮座祭神は八十天万魂神・三筒男大神・素盞嗚命・息気長足姫命。旧郷社。「ほうちがい」と通称する。社蔵享保一五年(一七三〇)の方違宮縁起によると、崇神天皇八年冬に物部大母呂隅を遣わして素盞嗚命を祀ったのを創始とし、神功皇后が三韓出兵の帰途当社に立寄り、畝傍うねび山の埴土で自ら八十平瓮を作って天神地祇を祀り皇軍の方忌除災を祈ったという。また応神天皇のとき、三筒男神と神功皇后を合祀し方違大依羅神と号したと伝える。

永正年間(一五〇四―二一)の兵火と享保七年の火災にあい、詳細な沿革は不明だが、平治元年(一一五九)一二月関白藤原基実の奏請により従三位を与えられ、文治五年(一一八九)三月には皇居修理のために祈願があり社殿造営がなされたといわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の方違神社の言及

【方違】より

…江戸時代には形式化して枕だけを移動させる風が生じた。庶民社会では方違神社参詣の俗信が興り,禁忌の方向に対して舎宅を構えたり,窓や垣を開いたり塞いだり,あるいは旅行・回船の門出などをなすものは,この神社に参れば方違の意味が生ずるとするもので,大阪府堺市の方違神社は有名である。京都では洛南鳥羽の城南宮(真幡寸(まはたき)神社)が有名で,禁忌の方向に造作したり,転宅したりするとき,境内の土を持ち帰ってまけば,祟りを避けられるという。…

※「方違神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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