埴土(読み)ハニツチ

デジタル大辞泉 「埴土」の意味・読み・例文・類語

はに‐つち【×埴土】

はに」に同じ。

しょく‐ど【×埴土】

粘土分を50パーセント以上含む土。排水通気性が悪く、耕作には適さない。

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精選版 日本国語大辞典 「埴土」の意味・読み・例文・類語

はに‐つち【埴土】

  1. 〘 名詞 〙はに(埴)
    1. [初出の実例]「埴土(ハニツチ)を以て舟(ふね)を作りて」(出典日本書紀(720)神代上(寛文版訓))

しょく‐ど【埴土】

  1. 〘 名詞 〙 土壌性質を示す語。粘土質を五〇パーセント以上含んだ土。粘着力が強く、肥料分解がおそく、そのままでは耕作には不適。はにつち。ねばつち。〔現代語大辞典(1932)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「埴土」の意味・わかりやすい解説

埴土
しょくど

土性区分の一つで、かつての日本農学会法によるもっとも粘土分に富むもの。粘土(粒径0.01ミリメートル以下)の含有率が50%以上の土性をいう。この土性は、指先感触ではほとんど砂粒を感じないほど微細な粘土粒子のみからなり、一般に粘性も強い。国際土壌学会法では、名称としての埴土にあたるクレイ(ヘビークレイheavy clay〈略記hC〉とライトクレイlight clay〈略記lC〉に細分)が、粘土粒子を0.002ミリメートル以下とする規定のもとに、三角座標の土性区分図に配置されている。日本農学会法の区分法とはかなり違うので、日本法で土性を5段階に分けた一つとしての埴土をそのままクレイとよぶのは不適当である。

 埴土は低湿沖積平野水田や、後背湿地または台地内に食い込む低地や泥炭地などの土壌にみられるほか、十分に粘土粒子の団粒を分散させた火山灰土壌も埴土に属する。

[浅海重夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「埴土」の意味・わかりやすい解説

埴土
しょくど
clayey soils

細土中に 50%以上の粘土を含む土壌。構造は緻密で水分養分の吸収力は強いが,通気性は悪い。乾燥すると固結して砕けやすくなる。耕作には困難で,作物に及ぼす影響もよくない。

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普及版 字通 「埴土」の読み・字形・画数・意味

【埴土】しよくど

黏土。

字通「埴」の項目を見る

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