日奈久(読み)ひなぐ

改訂新版 世界大百科事典 「日奈久」の意味・わかりやすい解説

日奈久[温泉] (ひなぐ)

熊本県中部,八代市南西部にある温泉八代海に面し,天草諸島をのぞむ古くからの温泉である。単純泉,45~50℃。九州山地の断層崖下に位置し,熱源日奈久断層帯に沿う流紋岩などの貫入岩と第三紀火成岩に起因するといわれる。1409年(応永16)浜田六郎左衛門が海中に湧出する温泉を発見したのが始まりとされる。江戸時代は参勤交代路にあたり,1656年(明暦2)には熊本藩主の細川氏が浴舎を大改築し,藩営温泉として栄えた。毎年夏の丑の日,温泉神社の丑の湯祭には,〈おきんじょ〉とよぶ人形を交換しあう〈おきんじょ替え〉行事が行われる。また,旧暦8月1日前後には不知火(しらぬい)見物の客でにぎわう。名産品にちくわ,竹細工などがある。鹿児島本線(現,肥薩おれんじ鉄道),国道3号線が通じる。
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百科事典マイペディア 「日奈久」の意味・わかりやすい解説

日奈久[温泉]【ひなぐ】

熊本県八代市,八代海に面する温泉。単純泉・弱食塩泉。45〜50℃。1395年発見と伝える古湯と,新湯があり,不知火(しらぬい)と温泉神社の丑の日祭で有名。肥薩おれんじ鉄道が通じる。
→関連項目八代[市]

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