日本レコード大賞(読み)にほんれこーどたいしょう(英語表記)THE JAPAN RECORD AWARD

知恵蔵 「日本レコード大賞」の解説

日本レコード大賞

1959年に始まった、日本の音楽産業において優れたクリエーター歌手をたたえる賞。放送番組名は「輝く!日本レコード大賞」。通称「レコ大」と呼ばれる。社団法人日本作曲家協会と日本レコード大賞制定委員会が主催TBSが後援している。英語表記は「THE JAPAN RECORD AWARD」(ザ・ジャパン・レコード・アワード)。
1958年に設けられた米国グラミー賞を受けてその翌年、作曲家の古賀政男服部良一、音楽評論家の平井賢が創設、年末の国民的番組として毎年12月31日にTBSとTBSラジオで放送されてきた。第48回(2006年)から放送日を12月30日に変更している。テレビ中継の平均視聴率は昭和40年代に入ると上がり続け、第19回(1977年)に50.8%でピークを迎えたが徐々に下降線をたどり、第47回(2005年)は最低の10.0%に。その後は10%台半ばで推移している。
主な賞の内容や対象は次の通り。「日本レコード大賞」は対象年度に発売された全ての邦楽シングルCDの中から、作曲、編曲作詩を通じて、芸術性、独創性、企画性が顕著で、優れた歌唱によって生かされ、大衆の強い支持を得た上、その年度を強く反映・代表したと認められた1作品に贈る。第50回(08年)からEXILEが3年連続で受賞、第53回(11年)からはAKB48が2年連続で受賞しており、2013年も両グループの対決が注目を集めた。
「最優秀歌唱賞」は楽曲を最も的確に表現し、更に高めた歌手、「最優秀作品賞」は大衆の支持を得た芸術性、独創性に優れた作品、「最優秀新人賞」は「新人賞」の中から最も優秀と認められた歌手に贈られる。このほか、「作曲賞」、「編曲賞」、「作詞賞」、「企画賞」、「功労賞」、「特別賞」、「特別功労賞」、「日本作曲家協会奨励賞」、「最優秀アルバム賞」などがある。過去には子ども向けの童謡やアニメソングに贈る「童謡賞」や、「ゴールデン・アイドル賞」、作曲家・吉田正の業績を記念した「吉田正賞」、美空ひばりの業績をたたえ、後の歌手に贈る「美空ひばりメモリアル選奨」などがあった。

(若林朋子  ライター / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本レコード大賞」の意味・わかりやすい解説

日本レコード大賞
にほんレコードたいしょう

1959年に創設された音楽賞。社団法人日本作曲家協会と日本レコード大賞制定委員会が主催。授賞式のもようは 1969年の第11回に東京放送 TBS(→東京放送ホールディングス)の番組『輝く!日本レコード大賞』で初めて全国に生中継された。日本レコード大賞,最優秀歌唱賞,優秀作品賞,最優秀新人賞,作詩賞,作曲賞,編曲賞,優秀アルバム賞,企画賞,特別功労賞などが設けられている。このうち最高の賞である日本レコード大賞は「作曲,編曲,作詩を通じて芸術性,独創性,企画性が顕著であり,優れた歌唱によってその年度を強く反映したと認められた作品」に贈られる。第1回受賞曲は『黒い花びら』(歌手・水原弘)。最も権威のある音楽賞として 1980年代後半に最盛期を迎え,NHK紅白歌合戦とともに大みそかの恒例行事となった。しかし,受賞を辞退したり,大賞の受賞者が授賞式に出席しないなどの事態もあって権威が低下し視聴率も低迷。2006年授賞式は 12月30日に変更された。

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