知恵蔵 「NHK紅白歌合戦」の解説
NHK紅白歌合戦
プロのアーティストが紅組(女性)と白組(男性)に分かれて、対戦形式で歌や演奏を披露し、勝敗を争う。出場者は、演歌、ポップス、ロックなどの幅広いジャンルから選ばれ、各自のヒット曲などを歌う。曲と曲の合間には、ゲストらによる応援合戦が繰り広げられる。一般客が観覧できる公開生放送で、第24回以降はNHKホール(東京都渋谷区)で収録されている。出場者が増えるにつれ放送時間枠も広がり、第40回(89年)からは2部構成となって毎回50組前後のアーティストが出場している。原型は、1945年の終戦の年の大みそかにラジオで放送されて大きな反響があった「紅白音楽試合」。
第62回(2011年)までの優勝回数は、白組33回、紅組29回。世帯視聴率は、第14回(1963年)の81.4%など、1960~70年代には70%台前後の驚異的な高さを誇り、近年も40%前後と高水準である(ビデオリサーチのウェブサイトより許諾を得て引用、関東地区)。世間の関心は高く、出場者や歌唱順、曲目などはもちろん、司会者やゲストにも注目が集まり、事前にあれこれ予想が飛び交ったり、結果について様々な理由が推測されたりする。出場者は、人気や業績、その年のテーマなどを考慮して選出されており、「紅白」出場を目標としている歌手も多い。生放送ならではのハプニングやミスが長く語り継がれるのも人気番組の証拠である。
(原田英美 ライター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報