日本新聞会(読み)にほんしんぶんかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本新聞会」の意味・わかりやすい解説

日本新聞会
にほんしんぶんかい

第二次世界大戦中の新聞統制団体。1942年(昭和17)2月11日「新聞事業ノ国家的使命達成ノ為(ため)必要ナル綜合(そうごう)的統制運営ヲ図リ、且(かつ)新聞事業ニ関スル国策ノ立案及(および)遂行ニ協力スルコトヲ目的」として新聞事業令(1941)に基づき設立された特殊法人。新聞の統廃合、新聞の編集、事業の運営に対する統制指導、共同販売、広告共同取扱いの指導、新聞記者の登録とその養成訓練、用紙その他の資材配給の調整、記者クラブ統合など、戦時下の新聞経営全般にわたり、内閣情報局とともに強大な権限をもって統制にあたった。45年3月1日所期の目的を達成したとして、その業務を情報局へ移管(新聞配給業務は日本新聞公社)、解散した。

[春原昭彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の日本新聞会の言及

【新聞記者】より

…記者はそれまで,政治,経済などを担当する〈硬派〉と,その他を担当する〈軟派〉とに分かれていたが,20世紀に入って経営と編集が分離する傾向が強まり,現在のように政治部,社会部,外信(報)部,学芸部などといった部制をとるようになった。しかし戦時体制の確立に伴い,国家総動員法と新聞事業令に基づく言論統制団体日本新聞会が1942年設立されると,その統制規程(記者規程)によって,記者資格銓衡委員会の選考(資格要件は〈国体を明確に把持すること〉)に合格したものだけに限定され,かつ登録制となった。しかし,第2次大戦後この制度は占領軍総司令部の指令によって廃止され,従来の部制が復活した。…

※「日本新聞会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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