日本航空機製造(読み)ニホンコウクウキセイゾウ

デジタル大辞泉 「日本航空機製造」の意味・読み・例文・類語

にほん‐こうくうきせいぞう〔‐カウクウキセイザウ〕【日本航空機製造】

戦後初の国産旅客機YS-11」を開発・製造した日本の航空機製造会社。昭和34年(1959)設立。昭和57年(1982)解散日航製。NAMC(Nihon Aircraft Manufacturing Corporation)。

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改訂新版 世界大百科事典 「日本航空機製造」の意味・わかりやすい解説

日本航空機製造[株] (にほんこうくうきせいぞう)

日本初の国産の民間航空輸送機YS11の開発・生産・販売のために,1959年に〈航空機工業振興法〉(1958公布)に基づき設立された半官半民の特殊法人。83年解散。同社には政府のほか,航空機関連メーカー,商社,金融機関など約200社に及ぶ民間企業が出資した。YS11を開発するための基礎研究と基本設計は,1957年に設立された財団法人〈輸送機設計研究協会〉によって開始されたが,同社はこれを引き継ぐ形で設立されたものである。63年の量産開始から74年2月までに180機(試作機2機を除く)のYS11を生産した。しかし,輸送機分野におけるジェット化の急速な進展に伴って競争力を失い,同年3月に量産事業を停止した。その後はYS11に対する補修部品の供給や技術支援サービスを進めてきたが,第1次石油危機に伴う円相場高騰による為替差損などにより,81年度末で累積赤字は約80億円に達し82年度末をもって解散した。補修部品の供給などユーザーに対するサービス業務は三菱重工業に引き継がれている。資本金78億円(1983年3月解散時)。
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