日根神社(読み)ひねじんじや

日本歴史地名大系 「日根神社」の解説

日根神社
ひねじんじや

[現在地名]泉佐野市日根野

日根野ひねの集落の南端部、樫井かしい川が山間から平地部に出る右岸ろじけい付近に鎮座する。祭神は鵜茅葺不合尊・玉依姫命。旧府社。古くは大井関おおいぜき明神大井堰おおいぜき神社などと称された。「延喜式」神名帳の日根郡一〇座の一として「日根ヒネノ神社鍬靫」とみえ、正応二年(一二八九)書写の「和泉国神名帳」には「正四位下日根社」とある。「泉州志」所引の当社縁起によると、聖武天皇の時、大鳥おおとり神社(現堺市)神鳳(天照大神の権化という)をこの地に勧請し祀ったのに始まるというが、古代、この地域を本貫地とした日根造の祖神を祀る神社であったと考えられている。

平安時代末期、大鳥社などとともに神祇官への年貢として櫛を納めている(永万元年六月「神祇官諸社年貢注文」永万文書)。天福二年(一二三四)六月、当地辺りは九条家領日根庄の庄域として確認されたが、そのなかに「大井関社」とみえ(同月二五日「官宣旨」九条家文書)、正和五年(一三一六)の日根野村絵図(同文書)には、日根野村南東部で無辺光むへんこう院の南に樹木に囲まれるように「大井関大明神」が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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