日華共同宣言(読み)にっかきょうどうせんげん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日華共同宣言」の意味・わかりやすい解説

日華共同宣言
にっかきょうどうせんげん

第2次世界大戦中の 1943年1月9日,中国,南京 (ナンキン) において,重光葵全権大使と南京政府汪兆銘によって署名された「戦争完遂についての協力に関する日華共同宣言」。アメリカ,イギリス側の反攻が強まるなかで,42年 12月 21日,南京政府の政治力強化と抗日の重慶政府覆滅を目指した「大東亜戦争完遂のための対支処理根本方針」が御前会議で決定された。日華共同宣言はこれを実施したものであり,両国がアメリカ,イギリスに対する共同の戦争を完遂するために,軍事,政治,経済上完全に協力することを宣言している。同時に「租界還付および治外法権撤廃等に関する日華協定」が調印された。同日,汪政権はアメリカ,イギリス両国に宣戦を布告した。これに対してアメリカ,イギリス両国は蒋政権との間に新条約を締結,在華特権を放棄して対処した。

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