日証金残高(読み)にっしょうきんざんだか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日証金残高」の意味・わかりやすい解説

日証金残高
にっしょうきんざんだか

日本証券金融会社(日証金)が会員である証券会社に証券金融を行う際の貸借取引融資残、貸し株残、および差引融資残高をいう。証券会社に対する金銭貸付貸付金)の合計額が融資残、貸し株(株式の貸付)の合計が貸し株残であり、両者差額が差引融資残高として表される。狭義には差引融資残高をさす。また、日証金は全国各地の株式市場で融資、貸し株を行っているが、通常、東京市場の数値をさしている。日証金残高は株式市場の動向を示す指標として、また残高の増加傾向は買い人気の強さを意味し、逆の減少傾向は売り人気を示すなど市場人気の目安として重視される。

[桶田 篤]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の日証金残高の言及

【証券金融会社】より

…貸借取引(証券会社と証券金融会社間の貸借)貸付は会員証券会社に対する融資,貸株であるが,金融情勢,証券市場の動向等を勘案し,貸付条件を変更したり新規申込みの受付を停止することによって,株式市場の過熱を抑制したりする。なお各証券金融会社の貸借取引貸付残高,とくに日証金のそれ(日証金残高)は株式投資のための重要な材料の一つとして利用される。公社債貸付には会員証券会社に対して行う公社債の引受け,売買に伴う短期貸付と,個人に対する公社債担保貸付がある。…

【信用取引】より

…また売り残,買い残ともに多いときは,〈取組みが厚い〉という。信用取引の取組みについて代表例をあげると,東証信用取引銘柄別残高が毎週水曜日に発表され,また貸借取引の取組みについては,同じく日証金残高が立会いのある日について毎日発表されており,投資家の参考に供されている。 貸借取引の対象になる銘柄が貸借銘柄であるが,一般にはこれを信用銘柄と呼んでいる。…

※「日証金残高」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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