日開谷村(読み)ひがいだにむら

日本歴史地名大系 「日開谷村」の解説

日開谷村
ひがいだにむら

[現在地名]市場町日開谷

上喜来かみぎらい村・尾開おばり村の北にある広域の村で、西の犬墓いぬのはか村と分ける吉野川支流日開谷川が南流する。中世には秋月あきづき庄のうちであったと想定されている(寛永一七年八幡神社棟札銘文)新田義宗(義貞の三男)・脇屋義治らが拠点としたという城丸城があると伝え(城跡記)、あるいは隼人はやと城などとも称す日開塁があるという(阿波志)。西を日開谷川、東を仁賀木谷にがきだに川に挟まれた城王じようおう(六三〇メートル)山城として用いたとされ、山頂部の北西に堀切(幅七メートル)がみられ、北側に新田池がある。また義宗・義治を祀るという城王神社やその墳墓とされるものが伝えられる。

慶長二年(一五九七)の分限帳に「日開山分」とあり、高一〇〇石余・高六〇石余の二筆が森内次の知行分。慶長年間のものと推定される国絵図に「ひかい谷」、寛永(一六二四―四四)前期のものと推定される国絵図では「ひかい谷村」と記される。寛永一〇年の人改帳(市場町史)によれば、有高一八一石余のうち高九二石余が山内理助、高八九石余が沢地孫左衛門の給知で、総人数一〇二のうち政処(のちの庄屋)一、政処の子弟・下人二七、行二、本百姓一四・間人四・奉公人三・本銀返し買人一・病者一〇・子弟下人牛飼三七となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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