昏蒙(読み)コンモウ

デジタル大辞泉 「昏蒙」の意味・読み・例文・類語

こん‐もう【××蒙/××濛】

暗いこと。暗黒。また、おろかであること。
「恰も大風の砂を捲き石を飛して四海の内―となりたる有様なり」〈田口日本開化小史
意識がなく、外部からの刺激反応はするが、すぐまた深い眠りに入ってしまう状態

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「昏蒙」の意味・読み・例文・類語

こん‐もう【昏蒙・昏濛】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 暗くて、判然としないこと。転じて、無知で愚かであること。頭の働きが悪いこと。
    1. [初出の実例]「老眼昏朦如夜、衰容颯灑似秋」(出典本朝麗藻(1010か)下・美州前刺史再三往復訪以予病不堪感懐詩以答謝〈藤原有国〉)
    2. [その他の文献]〔韓愈‐独孤申叔哀辞〕
  3. 医学で、意識がなくなる状態。大声で呼ぶ、強くゆすぶる、つねるなどの強い刺激を与えても瞬時目をさますだけで、すぐまた深い眠りにはいる状態。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の昏蒙の言及

【意識】より

…したがって意識障害を現象的に記載するにあたっても,この二つの側面を念頭においてなされるのが普通である。 昏睡,昏迷,昏蒙,傾眠などは覚醒の程度を表すものであり,昏睡comaはどのような外界からの刺激に対してもまったく目覚めることのない最も深い意識障害に対して用いられ,傾眠somnolenceは呼びかけないかぎり,目を閉じてうとうととしているが,容易に目を覚まさせることのできるような軽い意識障害を示す。昏蒙benumbingと昏迷stuporはこの二つの中間段階に対して用いられ,通常後者のほうが前者より高度の意識障害を意味するものである。…

【昏睡】より

…意識障害の程度を表す言葉で,いかなる刺激に対しても反応せず,ただ生命が維持されているのみという深い意識障害をさす。意識障害は,覚醒の程度に応じて,名を呼んだりすると容易に覚醒する傾眠somnolenceから昏蒙obtundation,昏迷stupor,および昏睡に分けられている。意識【水沢 英洋】。…

※「昏蒙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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