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映像人類学 えいぞうじんるいがくvisual anthropology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

映像人類学
えいぞうじんるいがく
visual anthropology

写真,映画,アニメーションなどの映像を利用して行う民族学,人類学の研究。媒体である映像を素材とすることで,「撮る」主体,「撮られる」客体,「見る」観客の3つの視点を研究対象とし,その総合的な研究を行う。特に,ある社会の文化現象を記録した映画を民族誌映画といい,それを用いる研究が盛ん。 1936~38年,アメリカの人類学者 G.ベートソンと M.ミードは,ニューギニア,バリにおいて,言語では表現しにくい家族内のコミュニケーションの研究に写真と映画を利用した。 61年にはフランスの J.ルーシュが,社会学者 E.モランと共同で映画『ある夏の記録』を作製して映像人類学の方向を示し,リーダー的存在となった。また第2次世界大戦中はアメリカで R.ベネディクトの指導のもとに,日本などの敵国文化の研究に映画が利用された。その後,技術革新によりフィールドワークの場で映画撮影が比較的簡単になったことと,一方で急速に消滅しつつある伝統的文化・慣習の記録の必要性が問題となったことから,1970年代初期頃より関心も高まり,各国で民族誌フィルム・ビデオの作製,収集,保管を行う施設が設立された。日本では,国立民族学博物館で行われている。

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